(3)前頭側頭型認知症(ピック病)
ピック病は、同じ行動を繰り返すのが特徴です。
原因は不明ですが、大脳委縮性疾患で
40~50代の若年認知症です。
ピック病はその後の研究で、病理学的な特徴から
様々なタイプがあることかが明らかになり
前頭葉や、側頭葉の前方の脳の萎縮が見られるという特徴で分類された
「前頭側頭型認知症」に含まれるようになりました。
前頭側頭型認知症は、意欲低下があり、うつ病と間違われやすいのですが
悩みや不安がないことが異なります。
また、乱暴・盗み・万引き(軽犯罪を犯す)などの
性格の偏りと、行動異常(同じ行為を決まった時間に決まった場所で繰り返す
同じ物ばかり食べたがる)などが特徴です。
早期には、記銘などの記憶障害や見当識障害は少ないことも特徴です。
しかし、創造力思考・連想能力の障害、物事の判断、
洞察の障害などがみられます。
次第に、人格変化と言語機能障害が顕著となり
認知症が進行し、言動両面の自発性減退により寝たきりとなります。
意欲が低下するために、うつ病と間違われやすいのですが
悩みや不安は、ピック病には現れないことに違いがあります。
前頭側頭型認知症の行動特性として、初老期の発病、
前・側頭葉の両側性委縮、人格の変化と
情動の変化を主症状とします。
ゴミなど、不潔の中でも平気でいる、派手になってやたらと買い物をする
など、常識からは外れるような性格・行動のパターンがみられる。
躁鬱病とにた行動がみられる場合もある。
初期のころは記憶力は保たれ、見当識障害は少ない。
その場とは関係ないフレーズがいつもくりかえし出てくる
滞続言語がある、同じ行動を繰り返すのが特徴です。
初期には、記憶障害よりも言動の異常がみられ
発語困難や、失語がみられることなどが行動特性です。
(4)レビー小体型認知症
レビー小体とは、元々は運動障害を主な病状とするパーキンソン病の
脳の中の中脳にたまった異常な構造物を指す言葉です。
レビー小体型認知症の脳は、認知機能を司る大脳皮質にも
広くみられることから命名されたもので
アルツハイマー型認知症についで多い病気です。
レビー小体型認知症は、幻視や幻覚が早期からみられ
パーキンソン病に似た症状で無動、固縮、姿勢保持障害、
歩行障害、自律神経障害もみられる。
この幻視とは、実際には存在していないものが
生々しく見え、例えば、壁に虫が這っている、布団が人の姿に見える
といった錯覚の症状もしばしば見られます。
他にも、進行性・動揺性の認知機能障害、一日のなかでも
変動性ある認知機能障害です。
男性に多い(女性の2倍)ことも特徴で
大脳皮質から脳幹に多くのレビー小体が出現します。
認知症を主症状とし、頭頂葉・側頭葉の血流低下と
後頭葉の血流低下がみられるものの、本態は不明です
また、シヌクレイン(遺伝子の4番染色体上にある)や
家族性パーキンソン病で異常が発見されることもあります。
視覚的に物事を捉えることが難しくなり、
アルツハイマー型認知症と違い
図形描写が早期に障害されることが多いことも特徴です。
他には、気分や態度の変動が大きく
一見まったく穏やかな状態から、無気力状態、興奮、錯乱といった
症状を1日のなかでもくりかえしたり、
日中に惰眠をむさぼったりすることもあります。
「日本医療企画」テキストより
