老年期の精神障害 (3)

(5)クロイツフェルト・ヤコブ病

感染疾患には、クロイツフェルト・ヤコブ病があります。

人にも感染し、認知症と神経症状が進行して、死に至ります。

現在のところ治療法はありません。

クロイツフェルト・ヤコブ病は牛海綿状脳症といって

牛の脳の中に空洞ができ、スポンジ(海綿)状になる病気です。

一般的には狂牛病(BSE)と言われ

羊のスクレイピー、鹿の慢性消耗病(CWD)、そして

人間のクロイツフェルト・ヤコブ病があります。

原因としては、ウイルスなどの核酸を有した病原体による病気ではなく

プリオンと呼ばれるタンパク質のみで構成された物質が

原因だとする見解が主流で

健康体の牛などの体には、正常プリオン蛋白が発現していますが

BSEの原因となります。

この、プリオンは、正常プリオン蛋白とは立体構造が

異なる異常プリオン蛋白から構成されているものです。

(6)コルサコフ症候群

コルサコフ症候群は、1887年ロシアの精神科医セルゲイ・コルサコフに

ちなみ命名されました。脳の機能障害によって

発生する健忘症状です。

後に、ビタミンB1の欠乏によって起こることが分かったため

ビタミンB1の欠乏によって起こるウェルニッケ・コルサコフ症候群

としてまとめられる場合もあります。

コルサコフ症候群は、視床背内側核または、両側乳頭体の障害で

記銘力の極端な低下を主とした独特の精神状態がみられるものです。

アルコール依存症や頭部外傷、ヘルペス脳炎の後遺症で見られる

特殊な記憶障害の型の一つですが、老年期認知症でもみられます。

コルサコフ症候群の特徴として、ホルモン中枢の視床下部や

記憶に関係する海馬に変化があるときに起こることが知られており

記銘力の低下(2~3分前に話したことを忘れる)

見当識障害(自己の状況の認識ができない)

健忘(ある期間の記憶が抜け落ちる)

作話症(記銘力の低下を補おうとして生じる)

手足のしびれ、起立性のめまい、不安定で協調性のない歩き方

発病以前のことまで忘れる逆行健忘(古い記憶は保持される)、記憶喪失

などがあります。予後不良で再発し、治療困難です。

(7)ビンスワンガー型脳血管性認知症

ビンスワンガー型脳血管性認知症は、脳動脈硬化症による

精神症状がみられるものです。

ビンスワンガー型の特徴は、大脳の白質の広範な脱髄を示し

漏電するため、神経の伝達ができない状態になります。

その結果、記銘力障害、意欲の低下、自発性欠如、幻覚や妄想を伴う

うつ状態、小刻み歩行、激しい興奮などの行動異常を

示すことになります。

さらに、精神的に不活発になることもあります。

これらは、脳血管性認知症の一型で

高血圧と動脈硬化と背景とする進行性の認知症です。

神経症状は、片麻痺、仮性球麻痺、尿失禁などがみられます。

病理学では、大脳白質の広範な変性、多発ラクナがみられます。

治療は、脳血管性認知症と同じです。

(9)若年認知症

若年認知症は、18歳以上、65歳未満で発症する認知症の総称です。

若年期は18~39歳、初老期は40~64歳です。

そもそも、アルツハイマー病の約3%が遺伝性とされ

遺伝子に異変があるため病気を発症します。

遺伝子に異常をもっている多くが、若年性アルツハイマー病で

若年型は50歳くらいで症状が出ます。

さらに、6対4の割合で男性に多いとされていますが

理由は不明です。

そして、老年性より若年性の進行が非常に速いという現状があります。

若年性アルツハイマー病の原因の一つとされているのは

遺伝です。

これは、早期発見、早期治療が大切ということになります。

            日本医療企画より

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