老年期の精神障害には、器質性精神障害と機能性精神障害があり、
器質性精神障害は
アルツハイマー型認知症、前頭側ぴっく頭型認知症(ピック病)
発性神経変性疾患(皮質性)
脳血管性認知症(多発脳梗塞性認知症、ビンスワンガー病)
パーキンソン病(戦振麻痺)
ハンチントン舞踏病などがあります。
機能性精神障害には、アルコール依存症や躁病やうつ病などがあります。
(1)脳血管性認知症
脳血管性認知症は、脳卒中や脳梗塞、高血圧など脳の血管の障害が
原因で脳の一部に酸素や栄養が届がず、二次的に神経細胞が
障害されておこる認知症です。
主な症状は、記憶障害、認知障害、失禁、問題解決脳力の低下
注意力・意欲の低下、適応力障害、感情失禁などがみられます。
損害を受けてない部位は正常なため
「まだら認知症」とも呼ばれます。
脳血管性認知症の行動特性として、高血圧や脳梗塞などの
動脈硬化性疾患の既往歴、
仮性球麻痺による構語障害や嚥下障害、片麻痺
初期からみられる尿失禁、くすみ足や小刻み歩行などの歩行障害
深部腱反射亢進や病的反射などがあります。
脳梗塞と薬物に関しては、風邪や頭痛に使われる
アスピリンという薬を毎日少量ずつ飲むと
血栓ができにくくなることがあります。
しかし、心房細動のある人で、1度でも脳梗塞発作を
起こしたことがある人、あるいは、心臓が弱っている人
高血圧、糖尿病、喫煙などがある人では、アスピリンでは
十分に血栓を予防できないともいわれています。
(2)アルツハイマー型認知症
脳の細胞が変性(性状、性質が変わること)したり
消失した結果、脳全般の細胞が委縮していって
認知症の症状が現れます。
老化が進み、神経細胞の働きが弱くなると
ホモシステイン酸が細胞内に有害物質を蓄積させ
別の原因物質と組み合わされることで
細胞死することがわかってきました。
若い世代では、ホモシステイン酸があっても
有害物質が蓄積されないので神経細胞死までは起きないのです。
喪失体験やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの
強いストレスがアルツハイマー病の危険因子とされており
ホモシステイン酸は、そのようなストレスが持続的に続いた際に
増えるとされています。
アルツハイマー型認知症の初期症状として
アミロイド(異常タンパク質)が脳に沈着し
前頭葉などが委縮することで記憶障害などが始まります。
経過は進行性で平均8~12年の経過で寝たきりとなり
根本的な治療法は今のところ存在しないのが現状です。
アルツハイマー病の原因としては
遺伝子異常、染色体異常(家族性アルツハイマー病・常染色体優性遺伝)
外傷、加齢、性格(融通の利かない真面目な人、消極的な人)
環境(閉鎖的環境)
その他(アルミニウム・女性・ダウン症の家族歴)など
さまざまです。
アルツハイマー病の進行を遅らせる対症療法薬として
ドネペジルなど4種類ありますが、根本治療薬ではありません。
「日本医療企画」より
