★神経症
神経症とは、何らかの心理的な原因によって起こってくる
心身の機能障害です。
神経症の基本的症状は「心理的なとらわれの現象」といえ
とらわれる対象はその時の個人の状況や環境によって
決定されることから、非常にさまざまであるといえます。
大きく3つに分類されています。
共通する特徴は強い不安と緊張です。
一般において日常生活のなかで、さまざまなストレスに
直面し、不安や緊張をかかえることは誰もが経験することですが
その後の状況として、その不安や緊張に満ちた悩みがなかなか
心の中から解消されていかない障害といえます。
しかし、いわゆる精神病とは異なり、神経症の人には
症状に対する認識があり、「これではいけない」という
葛藤をかかえ、治したいという強い意欲があります。
また、症状以外での現実に対する検討能力は保たれているため
人に知られることを嫌って表面上普通の生活としようと
努力していますが、一方では強い不安のために心理的機制がかかり
日常生活に支障をきたしている面もみられます。
神経症の特徴
・心理的機制によって起こる
・起こる症状は器質的病変をもたない機能的なものである
・症状は1回だけにとどまらず、慢性的に認められる
・さまざまな症状があるが、その背景には不安、緊張が共通して認められる
・本人に葛藤、治療意欲があるが、不安、緊張のため
回避的な行動も認められる。
★パニック障害
パニック障害とは、激しいパニック発作で始まる不安障害です。
何の前触れもなく、さまざまな症状を引き起こします。
しかし、パニック障害の原因は、まだ十分に解明されておらず
現状では、脳内神経伝達物質のバランスに変調を
きたしている状態と考えられています。
また、パニック発作は非常に強烈な恐怖感と不安感を伴いながら
繰り返し起こります。
初発の発作以降、おおむね数日から数週間で2回目の
発作が起こるといわれており
2回目以降は比較的短期間に連続して発作が起こる可能性があります。
重症の場合は1日に数回の発作を起こす場合もあり
1週間に4回以上の発作が起こり
それが、4週間以上続く場合は重症と考えられます。
こうした状況にあるため、発作の再発に対する恐れと
不安はとても大きいものであり
心配するあまり、日常生活が大きく規約されることにも
つながります。
パニック障害の症状
・心臓がどきどきする、または心拍数が増加する
・汗をかく
・体や手足の震え
・呼吸が速くなる、息苦しい
・息がつまる
・胸の痛み、または不快感
・吐き気、腹部のいやな感じ
・めまい、不安定感、頭が軽くなる、ふらつき
・非現実感、自分が自分でない感じ
・軌道を逸してしまう、狂ってしまうのではと感じる
・死ぬのではないかと恐れる
・しびれやうずき感
・寒気またはほてり
★アルコール依存症
一般にアルコール依存症とは、急性中毒症は含まず
周期的または持続的にアルコールを摂取することによって
起こる、慢性中毒症状のことを意味します。
すなわち、体内のアルコールが減少したり
存在しなくなったりすると、精神的、身体的に何らかの
不快な異常を生じ、からだの正常な機能が営めない状態になり
その結果、渇望状態を回避するために、いや応なしに
周期的または持続てきに飲まなければならない状態を
アルコール依存症といいます。
これを、人とアルコールとの支配関係で考えると
健康で適度な飲酒状況の人は、アルコールをコントロールするのに対し
アルコール依存症の場合はその逆で、アルコールに自分が
コントロールされているということがいえるでしょう。
アルコール依存症の実態として、全国で220万人前後と
推定され、糖尿病などさまざまな慢性疾患のなかで
第1位であり、その数は年々増加の傾向にあるとされています。
また、アルコール依存症は、身体、精神、社会の
それぞれの面において、さまざまな問題を発生させます。
これらの症状を改善していくためには、当然のことながら
飲酒欲求を抑制できるかどうかがカギとなります。
飲酒者の遺伝的素質、性格、生育環境、現在の生活環境、精神状態
とりわけ自我の確立や自制心(自己統制力)にかかっています。
★情緒障害
情緒とは、恐れ・怒り・驚き・好き・嫌い・喜び・悲しみなど
刺激によって引き起こされる感情のことであり
情緒障害とは、その情緒が何らかの原因によって
混乱し、自身の意思でコントロールできないほどの偏りや
激しさを伴って表出するもので、結果的に
学校生活や社会生活に支障となる状態のことです。
成人における神経症症状に該当する障害であり
その症状は、幼児期・児童期に不適応行動や症状として
現れることが多くみられます。
情緒を激しく表出させることは、誰もが可能性として
もつ行動ですが、それらはおおむね一過性のものであるため
さほど問題とはなりません。
しかし、情緒障害の場合には、それが何度もくりかえされる
極端な表出の仕方をするために社会的に不適応な状態となってしますのです。
具体的な不適応行動や症状は3つに大別されます
①反社会行動・・・攻撃的・反抗的な態度
具体的行動は、非行、家庭からの金品の持ち出し、怠学など
②非社会行動・・・消極的で引っ込み思案な態度
具体的行動は、登校拒否、不定愁訴
③神経症・心身症・習癖
・・神経症や心身症の症状、神経症的習癖
具体的行動は、爪かみ、指しゃぶり、性器いじり、夜尿、夜驚
これらの症状は、親や周囲の大人にとっては
あってはならない厄介なものとして捉えられていることが多く
大人からすれば、子どもが表出する症状も意味も分からず
その対応の仕方もわからないために
我慢しがたいものとなりますが子どもの視点で物事を捉えて検証し
表出した症状だけではなく
症状がもつ意味に目を向けていく姿勢が求められます。
「日本医療企画テキスト」より
